このところ、すごく寒いですね。あたたかいものが恋しい季節ですが、こう書く時に「あたたかい」は、「温かい」なのか「暖かい」なのか迷う方も多いかと思います。
実はこれ、すごく便利な判断方法があります。
というわけで、今回は「温かい」と「暖かい」の使い分けについて書いていきます。
反対の言葉を考える
「温かい」と「暖かい」の区別は、対義語で考えるとわかりやすくなります。
対義語とは、反対の関係にある語のことです。たとえば「大きい」でしたら、対義語は「小さい」。「広い」でしたら「狭い」が対義語になります。
この対義語が、「温かい」と「温かい」の違いをわかりやすくするキーになるそうです。おお!
温かいと暖かいの対義語
では、さっそくみていきましょう。
「温かい」と「暖かい」ですが、対義語は次のようになります。
- 温かいー冷たい
- 暖かいー寒い
これを使って、それぞれの区別を考えます。
たとえば、「あたたかいごはん」という場合。この反対を考えると「冷たいごはん」になりますね。
つまり、「冷たい」が対義語になるほう、「温かい」がこの場合の漢字になります。「温かいごはん」が正解、というわけですね。
部屋があたたかい
次に「部屋があたたかい」について考えてみましょう。
この反対は「部屋が寒い」ですね。ということは、「寒い」が対義語になる「暖かい」が、この場合の漢字になります。「部屋が暖かい」が正解ということですね。
あたたかい言葉
つづいては「あたたかい言葉」です。
「あたたかい言葉」の反対は「冷たい言葉」ですね。つまり、「冷たい」の対義語になる「温かい」が、この場合の漢字になります。「温かい言葉」というわけですね。
ただ、言葉の場合は字面的な印象(見た目のイメージ)から、「暖かい」を使うケースもありますね。
足があたたかい(笑)
Amazonをみていたら、シュールなアイテムがありました。
これはすばらしい(笑)。獣人の気分になれそうなアイテムです。
ちなみにこのアイテム、商品説明では「暖かい」という漢字が使われています。
「足があたたかい」の反対を考えると「足が冷たい」「足が寒い」、どちらも使われる言葉ですね。つまり、対義語の観点からいえば、「温かい」「暖かい」のどちらでも成り立つことになります。
ただ、このアイテムの場合は、イメージ的にも「暖かい」がぴったりですね(笑)。
「温かい」と「暖かい」の違いを意味で考える
さて、「温かい」と「暖かい」の区別は、意味の違いからも考えることができます。
意味的な目安としては次のようになります。
- 「温かい・冷たい」:手や舌など体の一部で触れて感じるものや、心で感じるものに使われます
- 「暖かい・寒い」:体全体で感じるものに多く使われます
たとえば、先ほどの「あたたかいごはん」でしたら舌で触れて感じるので「温かい」、「部屋があたたかい」は体全体で感じるので「暖かい」ということですね。
▼あたたかいといえば、こんな記事もあります
ユニークなケース1 色
この分類で面白いものに「色」があります。色には「暖色」「寒色」という言葉があります。
赤やオレンジなど、あたたかみを感じる色を「暖色」といい、その反対を「寒色」といいます。
これは、心で感じるから「温かい・冷たい」じゃないの??という気がしますが、次のように考えます。
- その色を見て、体全体があたたかく・または寒いと感じられるから「暖かい・寒い」になる
ユニークなケース2 懐があたたかい
もう1つ面白いところでは「懐があたたかい」があります。こちらは「暖かい」を使います。
意味的に考えると
- お金があることで、体全体にあたたかみを感じるから
となります(笑)。
まあ、こちらは対義語の「懐が寒い」のほうから考えるほうがわかりやすそうですね。
まとめ
このように考えると、どちらの漢字か迷った時にとてもわかりやすくなります。
ただ、字面の印象(見た目のイメージ)で、あえて違うほうを使うこともあったりしますので、厳密に考えるよりもゆる~く考えたほうがよさそうですね。