先日読んだ「珍獣大決戦」という図鑑が、とてもよかったので紹介します。
この本は、切り口はネタっぽいけれど中身は本格派という【「もしも?」の図鑑シリーズ】の1冊です。
著者は、動物学者の今泉忠明先生。先日紹介した「危険動物との闘い方マニュアル」で、とても不穏な解説をしていた先生です。
というわけで、この本も大変に期待が持てそうです。
もしも珍獣が人間と○○をしたらどうなる?
この図鑑では、珍獣の特徴がわかりやすくなるように、「珍獣と人間が対決をしたらどうなる?」という形で書かれています。
たとえば「ダルマさんが転んだ」の項目では、こんな珍獣たちが紹介されています。
引用:「もしも?の図鑑」珍獣大決戦 34ページ
動かない珍獣たちが勢ぞろいです!
「どれだけ動かないか」の順位もついており、1位はハシビロビコウ。2~3時間、動かないこともザラと書かれています。
ちなみに、右下であおむけになっているのは、キタオポッサム。順位をみると、「失格」と書かれています。
解説によると「完全に死んだふりをしているので失格」だそうです。
珍獣とにらめっこ対決
この図鑑には、上に紹介した他にも、たくさんの対決が載っています。
たとえば、ただでさえシュールな図鑑なのに、さらにシュールな「にらめっこ対決」。
引用:「もしも?の図鑑」珍獣大決戦 55ページ
ユニークな顔をした珍獣が勢ぞろいですが、人間たちもなかなかいい線をいっています。個人的には、左下のハイイロタチヨタカを優勝候補に推したいところです。
珍獣とかわいさ対決
ユニークなところでは、「珍獣と人間のかわいさ対決」もあります。
引用:「もしも?の図鑑」珍獣大決戦 65ページ
かわいい珍獣たちが勢ぞろいです!
サビイロネコと並んで、世界最小のねこの1種といわれている「クロアシネコ」もいますし、大きな耳がかわいいフェネックギツネもいます。
モニター内にいる「ベネズランプードルモス」も捨てがたいかわいさをしていますね。
どの項目もページをめくると、紹介された珍獣たちの解説が書かれています。
引用:「もしも?の図鑑」珍獣大決戦 69ページ
なんとこのカエルは、オタマジャクシの時期がなく、いきなりカエルとして生まれてくるのだそう。
こうした解説とあわせて、学名や分類など各種データもしっかりと載っているのが、この本の特長です。
切り口はネタっぽいですが、中身は本格派。他のシリーズ同様、たのしみながら学んでいくことができます。
珍獣だけのページも
どの項目も「珍獣 VS 人間」という形式ですすんでいく本書ですが、中には珍獣だけしか載っていないページもあります。
引用:「もしも?の図鑑」珍獣大決戦 99ページ
なかなかステキな珍獣がそろっています。
まとめ
毎回、内容の濃い「もしも?」のシリーズですが、今回も満足度の高い1冊でした。
あとがきには、珍獣たちの特徴的な姿や行動には、ほとんどの場合、理由があると書かれています。
たのしみながら興味を持ち、「なぜこうなったんだろう」「どうしてこんな行動をするんだろう」と考えることが大切だと説いています。
まさにそのとおり!ドキドキしながら、あれこれ考えたり想像したりと、本当にたのしい1冊ですよ。