先日、岐阜の方言の本を読んでいたら、懐かしい言葉がありました。
- 「カド」
- 「ケド」
- 「B紙(びーし)」
- 「ガバリ」
どれも小学校の授業や宿題で使っていたものですが、ほかの地域ではあまり使われないようです。
これらはそれぞれ次のような意味があります。
- 「カド」=漢字ドリル
- 「ケド」=計算ドリル
- 「B紙(びーし)」=模造紙
- 「ガバリ」=画鋲
こうした「地域独特のいいまわし」も方言になるそうです。
同じ岐阜県内でも「カド」「ケド」を、「カンド」「ケード」と呼ぶ地域もあります。今回は岐阜県の方言シリーズその2です。
岐阜の方言がたのしくなる本
さて、冒頭で紹介した「岐阜県の方言」の本ですが、今回読んでいるのは「みんなで使おっけ 岐阜のことば」という本です。
なんだか不安になる絵の表紙ですが、 著者はこの方面の第一人者、「岐阜県方言辞典」の山田敏弘先生(現・岐阜大学教授)です。
岐阜の方言を「共通語訳つき」で学べる1冊
中をみてみると、表紙の不安はどこへやら、しっかりとした内容になっています。
岐阜弁と日本語訳・・・じゃなくて標準語が書かれており、語の解説や用法が書かれています。教科書のようなつくりになっていて、実に本格的です。
意外と知られていませんが、岐阜でも関西弁のように語尾に「~や」をつけます。
ふだん使っている言葉でも、こうして文字になったものをみると、ずいぶんと印象が違ってみえます。
「約束あるで、行けん」「寒かったもんで寝た」とか、非常にへんてこな言語です。
模造紙のことを「B紙」と呼ぶのはなぜなのか
さて、冒頭の方言に戻りましょう。
カド・ケドは漢字ドリル、計算ドリルの略だからわかるとして、「模造紙をなぜB紙と呼ぶのか」は謎ですよね。
「みんなで使おっけ 岐阜のことば」には、その由来について、次のようにかかれています。
・和紙の大きさの基準を「B版」という
・美濃和紙の伝統を持つ岐阜県だからこその言い方
なんと、和紙からきていました。
ちなみに「B紙(びーし)」は、岐阜県のほかに愛知の一部でも使われているようですよ。
お店でも「B紙」で通じます
ゆずもちの地元では、お店でも「B紙」といえば伝わります。「B紙ありますか」「はい、B紙ですね」なんて感じで会話します。
お店では「これ、模造紙って書いてあるんですけど、B紙でいいんですか?」なんて会話もあったりします。
「ペーシ」もあります
B紙のほかに、「ペーシ」もあります。
これも方言なのですが、本やノートの「ページ」のことです。「はい、次は○ペーシ」「ペーシをめくって」なんて使い方をします。
今では年輩の方が使うぐらいですが、「ペーシ」について「みんなで使おっけ 岐阜のことば」では次のように解説されています。
- 岐阜では共通語で濁音がつくものでも、濁音をつけないことがある(清音)
- 似たような例に「同じ(おんなじ)」を「おんなし」という
- ドイツ語にも似た現象がある
なんとドイツ語似!地元の言葉もこうしてみていくと、たのしいものですね。
まとめ
今回は岐阜の方言シリーズその2でした。ふだん何気なく使っている言葉でも、こうしてみると面白いものですね。
今回紹介した本の中には、方言を捨てるのではなく、方言も共通語も両方話せるといいね、といったことが書かれていました。名言ですね!